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kintoneで現金出納帳を作る方法|基本機能だけで次月繰越を半自動化

kintoneで現金出納帳を作る方法|基本機能だけで次月繰越を半自動化

「月末、現金残高が合うまで帰れない」
「Excelの合計がズレた理由を探すだけで1時間が溶ける…」
「誰かが数式を壊して、過去の残高までおかしくなっている」

現金の管理は地味ですが、1円のミスも許されない神経を使う業務です。だからこそ、入力すれば残高が勝手に出る仕組みがあるだけで、経理のストレスは劇的に減ります。

結論から言うと、現金出納帳(金銭出納帳/小口現金出納帳)はkintoneの標準機能だけで作れます。
有料プラグインを使わなくても、設計の工夫一つで「残高の自動計算」も「次月への繰越」も実現可能です。


  • この記事でできること
    • kintone基本機能だけで現金出納帳を作る(小口現金にも対応)
    • 残高=前月繰越+入金合計-出金合計 を自動計算する
    • アプリアクションで「次月繰越」をワンクリック化する
    • ズレを防ぐ運用ルール(実査・変更履歴・締め)を整える

Excelのように「前行残高+入金-出金」の縦計算(行ごとの残高)は、基本機能だけでは困難です。
そこで今回は、縦計算を捨てて月次で回す形にする設計を採用します。

※どうしても行ごとに残高を出したい場合は「krewSheet」などのプラグインを利用します。


目次

現金出納帳(金銭出納帳)とは?目的は「現金の出入り」と「残高管理」

現金出納帳(金銭出納帳)とは?目的は「現金の出入り」と「残高管理」

現金出納帳は、日々の現金の入出金と残高を記録して管理する帳簿です。
現金はキャッシュレスが増えてもゼロにはしにくく、だからこそ「会社のお金」を説明できる形で残す必要があります。

現金出納帳の主な特徴

  • 役割
    現金の流れ(キャッシュ・フロー)の可視化、確定申告の準備、資金の紛失・不正防止。
  • 記載内容
    「日付」「勘定科目」「摘要(取引内容)」「収入(借方)」「支出(貸方)」「残高」。
  • 作成対象
    手元(金庫、レジ)にある現金。銀行預金は含まれない(預金は「預金出納帳」)。
  • メリット
    • リアルタイムで現金残高が把握できる。
    • 記帳のミスやお金の使い道を思い出せない状況を防止できる。
    • 日々の小口経費の動きを記録する「小口現金出納帳」としても機能する。

kintoneで現金出納帳は作れる?できる範囲と限界

kintoneで現金出納帳は作れる?できる範囲と限界

まず、kintoneの標準機能で「できること」と「苦手なこと」を整理しましょう。

できること(基本機能)

  • 日々の入金・出金の記録(テーブル入力)
  • 入金合計/出金合計/残高の自動計算
  • 月別の残高推移を一覧で把握
  • アプリアクションを使った「次月繰越」の半自動化

苦手なこと(Excelとの違い)

  • 縦方向の計算(前の行を参照する計算)
  • 大量行を1画面で扱う運用(テーブルが増えるとスクロール地獄になりやすい)

解決策:「1レコード=1ヶ月」方式

弱点の「縦計算ができない」を回避するために、今回はこう設計します。

  • 1レコードで1ヶ月分を管理
  • 日々の明細はレコード内のテーブルに入力
  • 合計・残高はテーブル集計(SUM)で出す
  • 次月の開始残高はアプリアクションで繰越

この形にすると、月次締めと相性が良く、運用が安定します。

【STEP 1】アプリのフィールド設計

それでは実際に作っていきましょう。今回は「1レコード=1ヶ月」とし、日々の明細は「テーブル」に入力する形をとります。

この基本構造ができれば、出し入れで残高を出すようなものを簡単なもであればどういったものでも対応できるようになります。

現金出納帳アプリのフィールド設計(設計図)

① ヘッダ部分(テーブルの外・集計用)

※Hachidai Lab.ではフィールド名とフィールドコードは「同じにする」ことを推奨しています。

フィールド名フィールドタイプ備考・計算式
月基準日日付各月の「1日」を入力(例: 2026-02-01)
年月度文字列(1行)DATE_FORMAT( 月基準日 , "YYYY年MM月", "Etc/GMT") ※自動計算設定
前月繰越数値前月の残高を入力
入金合計計算SUM(入金)
出金合計計算SUM(出金)
残高計算前月繰越 + 入金合計 - 出金合計

② 明細部分(サブテーブル内・日々入力用)

  • テーブルのフィールドコード: 入出金明細
フィールド名フィールドタイプ備考
日付日付入出金日
摘要文字列(1行)取引内容
相手科目(任意)ドロップダウン等消耗品費、旅費交通費など
入金数値入金があった場合に入力
出金数値出金があった場合に入力
証憑(任意)添付ファイルレシート画像など

ポイント: 「入金」と「出金」は、基本的にどちらか片方だけに入力します。

【STEP2】計算式:年月表示/合計/残高

レコードタイトルを「YYYY年MM月度」にする

一覧画面上でも何月のデータをパッと見てわかりやすくするために、タイトルを「○○○○年 ○○月度」という表示にしておきます。

年月度フィールドを自動計算にして、例えば以下を設定します。

DATE_FORMAT( 月基準日 , "YYYY年 MM月度", "Etc/GMT")

これで、日付フィールドから「○○○○年 ○○月度」の表示ができるようになります。

DATE_FORMAT( 月基準日 , "YYYY年 MM月度", "Etc/GMT")

入金合計・出金合計は SUM で出す

kintoneは、テーブル内の数値を SUM(フィールド) で合計できます。

入金合計=SUM(入金)
出金合計=SUM(出金)

残高の計算式

前月繰越 + 入金合計 - 出金合計

これで月レコードを開けば、残高が常に更新されます。

計算式設定

【STEP 3】繰越の半自動化:アプリアクション設定

月が変わるたびに「新規レコード作成」→「前月の残高を確認」→「手入力」するのはミスのもとです。 kintoneの「アプリアクション」機能を使って、この作業をワンクリック化しましょう。

当月の残高を新レコードの前月繰越フィールドにコピーすることでスムーズに次月のレコードが作成できます。

設定内容

「今月のレコード情報をコピーして、次月のレコードを作る」イメージです。

  • アクション名: 次月繰越
  • コピー先: このアプリ
  • フィールドの関連付け:
    • 残高 (コピー元) ➡ 前月繰越 (コピー先)
    • ※その他のフィールド(月基準日や明細など)はコピーせず、空欄にします。
アクションの設定
アプリアクションの動き

運用フロー(毎月これだけ)

  1. 月末に今月の締め作業を行う。
  2. レコード詳細画面の「次月繰越」ボタンをクリック。
  3. 新規作成画面が開き、「前月繰越」欄に今月の残高が入った状態でスタートできます。
  4. あとは「月基準日」を翌月1日に設定して保存する(例:2026-03-01)。

これで、転記ミスによる「開始残高ズレ」を大幅に減らせます。

一覧・グラフの作り方(残高推移を“見える化”)

一覧(おすすめ設定)

  • 一覧名:月別一覧
  • 表示フィールド例:年月度/前月繰越/入金合計/出金合計/残高
  • 並び順:月基準日 昇順(古い→新しい) もしくは 降順(直近→過去)
月別一覧設定
月別一覧

グラフ(おすすめ2本)

  1. 残高推移(折れ線):月基準日 × 残高
  2. 入出金比較(棒):月基準日 × 入金合計・出金合計
残高推移(折れ線)設定
残高推移(折れ線)
入出金比較(棒)設定
入出金比較(棒)

「残高が増えているのか減っているのか」が一瞬で分かり、月次の振り返りにもそのまま使えます。

運用ルール:残高が合わない“あるある”の潰し方

運用ルール:残高が合わない“あるある”の潰し方

仕組みができても、運用が疎かでは残高は合わなくなってしまいます。以下のような運用ルールを設けて、ずれを最小限に抑えましょう。

  1. 入力タイミングの固定
    「即時入力」「毎日夕方」「翌朝イチ」など時間を決める。
  2. 現金実査の実施
    kintone上の「残高」と、金庫の中にある「現金実査高」を定期的に(毎週末、毎月末など)突き合わせる。
  3. 修正履歴の活用
    もしズレていた場合、kintoneの「変更履歴」を見て、誰がいつ数値を修正したか特定し、原因を究明する。

限界と拡張:件数が増えたらどうする?

限界と拡張:件数が増えたらどうする?

この「1レコード=1ヶ月」方式は、シンプルで基本機能のみで実装可能なので導入のハードルは低いのですが、テーブルによる出納の管理には限界があります。

テーブルの行数が増えると入力や確認の際にスクロールする必要が出てきたり、1行当たりの情報が多くなるとさらに横のスクロールが必要になり、「使いにくい」アプリという印象になりかねません。

そのレベルまで取引量が増えてきたら、次のステップを検討しましょう。

  1. アプリ分割
    「入金伝票アプリ」「出金伝票アプリ」を独立させ、1取引1レコードにする。
  2. プラグイン導入
    「krewData」などで両アプリを残高確認アプリに集計。
  3. キャッシュレス化
    そもそも現金を減らす(経費精算アプリへの移行)。

まとめ:基本構造は、あらゆる「出納管理」に応用できる

まとめ:基本構造は、あらゆる「出納管理」に応用できる

この「繰越残高+入金-出金=残高」という構造は、現金出納帳だけではありません。

銀行口座の管理はもちろん、簡単な商品の在庫管理にも応用できる基本形です。

  • 入力すれば残高が自動で更新される
  • 月ごとの残高推移が一覧で見える
  • 次月繰越もボタン一つで完了

そして何より、「kintoneで業務アプリを作る」という成功体験が得られます。 この型ができれば、「預金出納帳」や「仮払金管理」など、他の業務にも横展開していくことができます。

次のステップは、件数増に備えた「入金伝票/出金伝票」方式です。
ここまで作れたら、kintone化は一気に加速します。

次のステップへ進むなら:
👉 経理×kintone |紙・Excel経理から抜け出すためのkintoneという選択肢
👉 kintone × PCAクラウド完全連携ガイド|業務とデータをつなぎ二重入力ゼロへ

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