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Excel管理から一歩踏み出すには?高度なカスタマイズより「kintoneの基本機能」から始める理由

「共有フォルダのExcel台帳がいつの間にか複数できていて、どれが最新版か分からない」
「せっかくkintoneを導入したのに、画面が複雑になって結局元のExcelに戻ってしまった」
「Excelと同じ見た目や動きを再現しようとして、設定や改修が追いつかなくなっている」

日々のバックオフィス業務や現場の管理を見直すなかで、このようなお悩みを抱えていないでしょうか。

業務の効率化や情報共有のために「脱Excel」という言葉をよく耳にするようになりました。ただ、いざkintoneを取り入れてみると、「これまでのExcelと同じように動かないから使いにくい」という声が出て、最初からプラグインやJavaScriptなどの高度なカスタマイズをたくさん盛り込もうとしてしまうケースも少なくありません。

私自身、非エンジニアとして総務や経理の現場で試行錯誤してきたなかで、最初は「いろいろな機能を足して便利にしなければ」と肩に力が入っていた時期がありました。ですが、実際に現場で長く使われ続ける仕組みを振り返ってみると、大切なのは高度なカスタマイズではなく、kintoneの「基本機能」をシンプルに活かすことだと感じています。

この記事では、脱Excelとkintone基本機能の活用をテーマに、Excelの良さを活かしつつ、台帳を「壊さず、迷わず、安全に使い続ける」ための考え方と進め方をご紹介します。

▶ kintoneの全体像については「kintone導入で失敗しないために|中小企業で起こりやすい5つのつまずきと小さな見直し方」もあわせてご覧ください。

目次

Excelの良さと、チームで使い続けるときに感じる壁

まずお伝えしたいのは、もちろんExcelがだめだと言いたいわけではありません。ExcelにはExcelの良さがあります。

手元ですぐに表を作れますし、自由なレイアウトで試算をしたり、少人数で特定のデータを管理したりする場面であれば、Excelで十分なケースも多いと思います。私自身、今でも集計やシミュレーションの場面ではExcelをよく使っています。

ただ、台帳は一度作って終わりではありません。関わる人数が増え、日々の業務のなかで何ヶ月、何年と更新し続けるようになると、少しずつ管理が難しくなる場面が出てきます。

たとえば、現場の共有Excelで次のような経験はありませんか?

  • 日付の列に入力されたものが日付ではなかったり、数字を入力したつもりが文字になっていたりして集計がずれる
  • 誰かが誤って計算式を消してしまい、どこから数字がおかしくなったのか分からなくなる
  • 「案件管理_最新.xlsx」「案件管理_最新_修正版.xlsx」とファイルが増え、どれを見ればいいか迷ってしまう

さらに、誰かがファイルを開いていると「読み取り専用」になって入力を待たされたり、マクロ(VBA)を組んだ担当者が異動して誰も直せなくなったりすることもありますよね。

これは現場の方の注意力が足りないからではなく、一つのファイルを複数人で同時に書き換えるという仕組みそのものに、どうしても無理が生じやすいからだと思っています。

1. 最新版がどれか迷いやすくなる

ファイルが個人のパソコンやメール、共有フォルダに分かれると、「いま見ている数字が本当に最新なのか」を確認するだけでも時間がかかってしまいます。

2. 入力ルールや計算式が少しずつ崩れてしまう

Excelはどのマス目にも自由に入力できるのが良さである反面、複数人で触り続けるうちに、表記の揺れや計算式の上書きがどうしても起こりやすくなります。

3. 変更の経緯ややり取りが別の場所に散らばる

「なぜこの金額に変わったのか」「誰に確認してOKが出たのか」というやり取りがメールやチャット、口頭に残っていると、後から振り返ったときに経緯を追うのが難しくなります。

Excelとkintoneの違い|台帳を「安全に使い続ける」3つの基本機能

こうした「複数人で台帳を使い続けるときの困りごと」を、標準の仕組みで無理なく支えてくれるのがkintoneです。

私は、kintoneに切り替える価値は、台帳を「作る」だけでなく、「壊さず、迷わず、安全に使い続ける」という点に大きな意味があると思っています。

Excelとkintoneの基本機能には、それぞれ次のような得意分野の違いがあります。

比較の視点Excelが得意なこと・特徴kintone(基本機能)が得意なこと・特徴
情報の置き場所・共有手元で素早く表を作る・少人数で手軽に見るクラウド上の1つのデータを全員で同時に確認・更新する
入力ルールの保護・履歴マス目を自由にレイアウトし、柔軟に式を組む日付・数値などの入力形式を揃え、誰がいつ変更したか履歴を自動保存する
やり取り・進捗の見える化個別の分析資料や試算シートとしてまとめるデータごとにコメントや進捗状況(ステータス)を紐づけて残す

とくに、kintoneの次の3つの基本機能は、日々の台帳管理をぐっと楽にしてくれます。

1. データの一元管理と「壊れにくい」入力画面

kintoneでは、クラウド上にある一つのデータベースを全員で見に行きます。そのため、「どのファイルが最新か」と探す手間がありません。

また、日付の項目には日付、数値の項目には数字しか入らないように基本機能で入り口を整えられるため、「計算式をうっかり消してしまった」という心配もなくなります。私のような非エンジニアでも、ドラッグ&ドロップで安全な入力画面を作れるのは大きな安心材料です。

2. データに紐づくコメント機能でやり取りを集約する

kintoneのレコード(1件ごとのデータ)には、すぐ横にコメント欄がついています。

たとえば、「この請求書、先方に金額を確認中です」「上長に確認して承認をもらいました」といったメモをデータと同じ場所に残しておけます。メールやチャットを遡って探さなくても、その画面を開けば過去の経緯がひと目で分かるようになります。

3. プロセス管理と一覧画面で「今どこにあるか」を見える化する

「未着手」「確認中」「完了」といった進捗のステータスを、基本機能で設定できます。

いま誰がボールを持っていて、どの案件が止まっているのかが一覧で分かるため、「あの件、どうなっていますか?」と口頭や電話で確認し合う時間を減らすことができます。

なぜ「最初から高度なカスタマイズ」を目指すとつまずきやすいのか

ここまで基本機能の良さをお話ししてきましたが、kintoneを導入する際によくご相談いただくのが、「最初からプラグインやJavaScriptで作り込みすぎて、運用が回らなくなった」というケースです。

なぜ、良かれと思って行ったカスタマイズが裏目に出てしまうことがあるのでしょうか。

最初から作り込みすぎると、現場が画面に戸惑ってしまう

「これまでのExcelとまったく同じ見た目・同じ動きにしたい」と考えて最初から複雑なカスタマイズを入れると、ボタンや自動処理が増えすぎて、現場の方がかえって操作に迷ってしまうことがあります。

また、「もしここを押したら何か壊れるのではないか」と心理的なハードルが上がり、入力そのものが敬遠されてしまうことも少なくありません。

業務の変化に合わせて自分たちで直せなくなる

会社の業務やルールは、少しずつ変わっていくものです。

最初から複雑なプログラムで固めてしまうと、「項目を一つ増やしたい」「承認の順番を少し変えたい」と思ったときに、自分たちでは触れなくなってしまいます。修正のたびに時間や費用がかかると、結果として「とりあえず手元のExcelで管理しておこう」と、元のやり方へ戻ってしまう原因になりがちです。

▶ 導入時によくあるつまずきについては「kintone導入で失敗しないために|中小企業で起こりやすい5つのつまずきと小さな見直し方」でも詳しく整理しています。

小さく始めて育てる!kintone基本機能を活かす3つのポイント

では、現場に無理なく定着させるためには、どのように進めるのがよいのでしょうか。基本機能とカスタマイズの検討タイミングを整理すると、次のようなステップになります。

フェーズ進め方の目安使う機能の範囲
Step 1:使い始め(1〜2ヶ月目)1つの業務に絞り、入力と一覧確認の流れを現場で試す基本機能のみ(最小限の入力項目・一覧・コメント)
Step 2:定着・見直し(3ヶ月目〜)現場の声を聞きながら、項目の並び替えや進捗管理を足す基本機能の応用(プロセス管理・アクセス権・グラフ)
Step 3:拡張・連携(定着後)基本機能ではどうしても手作業が残る部分を補うプラグイン・外部連携(帳票出力や会計ソフト連携など)

1. まずは基本機能だけでシンプルに作ってみる

最初はプラグインやカスタマイズを入れず、基本機能だけで画面を作ってみるのがおすすめです。

シンプルであればあるほど、現場の方も「どこに何を入れればいいか」が直感的に分かりますし、何かあればその場ですぐに項目を直せます。失敗してもよい場所で何度でも試せるのが、kintoneの基本機能の一番の強みだと思っています。

2. 最初から100点を目指さず、使いながら直していく

最初から完璧な設定をつくろうとするのではなく、実際に使いながら直していくことが大切ですね。

まずは60点くらいの「これだけあれば仕事が回る」という状態で動かしてみて、現場で入力する方から「ここは選びにくい」「この項目も欲しい」と声が出てきてから少しずつ調整していく。まずは小さく始めて、現場に合わせて育てていく姿勢が、結果として一番早く定着につながります。

3. 入力項目を絞り、「二度入力」をなくすことを優先する

画面を作るときは、「管理側が集計したい項目」よりも「現場が日々の仕事を進めるために必要な項目」に絞ることで、入力のハードルがぐっと下がります。

また、kintoneに入力した情報を、もう一度別のExcelや基幹システムへ手入力している箇所があれば、そこを見直すのが効果的です。一度入力した情報を、二度入力しなくていいようにすること。それによって入力を減らし、考える時間を増やすことが、本来の目的だからです。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. いま使っているExcelのデータは、そのままkintoneに移せますか?

はい、移すことができます。kintoneは基本機能でExcelやCSVファイルの読み込みに対応しているため、いま管理している台帳のデータを活かしながらスタートしやすい仕組みになっています。

ただ、使っていない古い列までそのまま全部取り込むと画面が複雑になりやすいため、取り込む前に「これからも本当に使う項目」を一度整理してみるのがおすすめです。

Q2. プラグインや連携ツールは、いつ頃検討するのがよいでしょうか?

まずは基本機能での運用が現場に馴染み、「ここは毎日手作業が発生しているから、もう少し楽にしたいね」という具体的な課題が見えてきたタイミングで検討するのがよさそうです。

たとえば、kintoneで入口を整えて、会計ソフトなどの専門システムで処理するといった場面では、CSV連携やプラグイン、自動連携ツールなどいくつかの方法があります。その際も、連携の目的は、システムをつなぐことそのものではありません。現場の二重入力をなくすための手段として、自社の件数や体制に合うものを選んでいくという考え方です。

▶ 会計ソフトとの連携方法の比較については「PCAクラウドとkintoneの連携方法4選|CSV・プラグイン・自動連携を比較」も参考にしてみてください。

まとめ|まずは1つの台帳を「安全に使い続ける」ところから

Excel管理から一歩踏み出すために必要なのは、最初から大がかりなシステム開発や高度なカスタマイズを行うことではありません。

まずはkintoneの基本機能を使って、次の3つを小さく整えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

  • データの置き場所を一つにする
    どれが最新版か迷う時間をなくす
  • 進捗とやり取りを同じ場所に残す
    確認の手間や対応漏れを減らす
  • 入力の入り口を整える
    台帳を壊さず、迷わず、安全に使い続けられるようにする

身近な台帳を一つだけ選び、基本機能で小さく動かしてみる。まずはそこからだと思っています。

kintone導入・Excel台帳の見直しでお悩みの方へ

Hachidai Lab.では、アプリを作る前の業務整理から、基本機能を活かした小さく始めるアプリ設計、現場に定着するまでの見直しまで、バックオフィス実務者の目線で伴走支援を行っています。

  • 「今の共有Excelの管理が、人数が増えて限界に近づいている気がする」
  • 「kintoneを導入したけれど、作り込みすぎて現場で使われなくなっている」
  • 「Excelに残す部分と、kintoneに移す部分の役割分担を一緒に整理したい」

そのようなお悩みがあれば、一つの選択肢として、考えてみてもいいのではないでしょうか。構築や連携の方法を決める前の段階からでもどうぞ。相談内容がまとまっていなくても大丈夫です。まずは今の現場の状況をお聞かせいただき、どこから無理なく見直せそうか、一緒に整理するところからお手伝いします。


Hachidai Lab.(ハチダイラボ)

kintoneを活用した業務改善のパートナー。

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